VANMOOF X3 が最高すぎた〈前篇〉

住んでいる街は道がせまく車が年中渋滞しがちということもあり、目的地がある程度近く & 持ち運ぶ荷物も少ないのであれば、車よりも原付や自転車の方が圧倒的に移動には便利。

それに加えて丘や山も多く、ちょっと隣町のドラッグストアに行こうと思っても道中に山越えが待ち構えていたりします。自転車では並の脚力では絶対に登りきれないレベル。

そんな訳で原付か電動アシスト付き自転車(Eバイク)が欲しいなぁとかねてから思っていたのですが、悩んだ末に VANMOOF の “X3” を購入した。結果、ひさしぶりにブログ的なものを書きたくなってしまうほどに最高でした。

まずはオーダーからセットアップなど、乗る前までの準備編。

1. オーダーから到着まで

現在 VANMOOF の現行モデルのEバイクは自社ブランドサイト以外での取り扱いはありません。取り扱いは S3X3 の2モデル構成となっており、そのどちらも電動アシスト付きのEバイクで、フレームやタイヤのサイズ以外で両モデルに機能的な差はありません。価格はどちらも27万5,000円で実にシンプル(購入時25万円だったので若干値上がりしました)。

VANMOOF は以前はEバイクではない通常タイプの自転車も販売していたことがあり、僕は7年前に M2 Tiny 2.2 というモデルを購入して乗っているのですが、基本的なフレームデザインはモデル初期から一貫しており、ブランドとしてのコンセプトメーキングやデザインフィロソフィーの揺るがなさを感じます。

電動アシスト付き自転車も様々な候補があるので悩んでしまうところですが、僕はそんな VANMOOF への信頼や単純にスキという気持ちもあり、買うなら VANMOOF と決めていたので迷いなく決めることができました。

選んだのは X3 で、サイトの説明にもある通り対象となる身長からこのモデルを選択しました。

2. 開封と組み立ての儀

到着時の配送は佐川系列の大型配送便業者によって行われました。 自転車一台ですので、正直やばいサイズの段ボールが届きます。

本体ディスプレイを模したデザイン性の高い梱包箱。このサイズだけに保管は厳しいですが捨てるのが勿体なかった。 / “Rip here” が示す巨大なペリペリ。

箱の段ボールのデザインからして気が利いており、開封口はお菓子の箱によくあるジッパー加工がされています。俗に言う「ペリペリ」です。ここまで大きなペリペリは人生でも初めてでしたが、思い切って引き下げたあとは、開封口から手を突っ込んで自転車本体に結ばれている紐を引っ張ることで、中身全てがスライドして出てきます。

付属品を取り出すために、洞窟のような段ボールの中に入って暗闇を弄る必要はありません。実に鮮やかな梱包。

本体はほとんど完成された状態になっており、することといえば外された状態で梱包されている「前輪」をフレームに収めることぐらいで、自転車を多少触ったことがある人であればほぼ迷うことはないと思います。

説明書のとおり進める上で特別なことといえば、前輪から伸びているコードをフレームの専用の端子に接続することくらい。挿し込む向きが決まっているうえにコードが固いので人によっては少し苦労するかも。コードを端子に嵌められたら専用のカバーを取り付けて終わりです。

ちなみにここまで終えると説明書に唐突に「🎉おめでとうございます!」の労いの言葉が登場するのですが、たったこの時のためだけに、なんと付属品として吹き戻しホイッスルが付いてきます(笑。

VANMOOF はオランダのアムステルダムのメーカーですが、さすがデザイン大国あってユーモラスで気の利いたことをしてくる。少し驚きがあると嬉しくなってしまうもので、何度か部屋で盛大に鳴らしてしまいました。

3. 説明書と付属品

本体以外に梱包されている Toolbox と書かれている箱には、説明書を除く全ての付属品が入っています。

タイヤ用・シートポスト用の反射板は説明書に記載がなく、もしかすると日本国内流通用の専用付属品かもしれません。

X3 は自動車の LED ライトとしても使用できるレベルの光量の大きなヘッドライトとテールライトが付いているため、僕は特に装備しませんでした。デザイン的にもスッキリしますし。

① 説明書 ② 組み立て用ドライバー / 前輪取り付け金具 / ワイヤー用オイル / ハンドル高さ調整用金具 / 吹き戻しホイッスル ③ 充電アダプタ ④ SIM カード ⑤ タイヤ用反射板 ⑥ 空気入れ ⑦ シートポスト用反射板 ⑧ ペダル

ふつうのEバイクにはまず付属していないだろうなと思えるのは、🎉吹き戻しホイッスル… もそうですが 「SIMカード」ですかね。

なぜ SIM があるのかについては後述しますが、このSIMカードは本体フレームのどこかに既に挿入された状態で届き、自分で挿入することはありませんし、セキュリティのため挿入箇所については説明書にも記載がありません。

車体を細かく分解しない限り、ユーザーが目にすることは今後もないはずです。

4. 充電とアプリのセットアップ

本体の組み立てが済んだら、付属の充電器(ACアダプタ)で充電を始めます。

充電について難しいことは全くなく、本体の端子にACアダプタを接続しコンセントに差し込めば、本体フレームのドット マトリクス ディスプレイが点灯し、充電容量の状況も含め充電の開始をお知らせしてくれます。

Eバイクにディスプレイが付いていることは珍しくありませんが、フレーム内に LED のドット マトリクス ディスプレイが埋め込まれているのは知る限り VANMOOF の自転車以外に見たことがありません。

デザイン性が高いな… というよりもメカ好きおっさんの心をくすぐりまくってたまりません。LED で発光しますし大きな表示ですので、走行中にパッと見る際にも視認性が高くて良いなと感じます。

ただしこれでは表示ができる情報量に限界があるのでは?というご指摘はごもっともで、実は VANMOOF のEバイクの細かな設定は全てスマートフォンのアプリで行うことになります。

4.1. Eバイクの登録

Eバイクの登録は、App Store から「VANMOOF」アプリをダウンロードして行います。

基本的にアプリに表示されるステップに従って作業を進めていく流れですが、フレームナンバーなどの細かな情報の入力を自分で行う必要はなく、説明書裏にある QR コードを読めば自分のEバイクとして My VANMOOF アカウントに紐つけられます。

  1. QRコードの場所の解説
  2. アプリ内でカメラが起動するのでQRコードをスキャン
  3. フレーム番号など車体独自のデータとともに自分のEバイクとして登録される

4.2. Apple Find My に登録

VANMOOF のEバイクは、今年の4月以降に販売された車体から Apple Find My ネットワークに対応しました。

VANMOOF の通信機能ついては後述しますが、これまでの VANMOOF 独自の通信に加え、新たに Apple Find My に参加したことにより、Eバイクの近くを行き交う世の中の全ての iPhone (iPad) の力を借りてEバイクの場所の特定が出来るようになりました。アップルの AirTag が内蔵された、と思っていただければ良いです。

もちろん AirTag 同様に、アップル純正の「探す」アプリから

  • サウンドを再生させる
  • Apple マップにEバイクまでの経路を表示
  • 紛失モードを使えば、行き交う iPhone (iPad) にEバイクが紛失状態であることを伝える

ことが可能になります。

Apple Find My の登録については任意になっていますが、盗まれた時のことを考えるとしないメリットが無いので迷わずセットアップ。

  1. フレームの Apple Find My ボタンを押すよう指示が出ます。
  2. イラストで描かれている通り、Apple Find My ボタンを見つけることができました。
  3. ボタンを押してから「探す」アプリを起動し、新たなデバイスを追加。

4. Eバイクが「持ち物」として認識されるので名前を付ける。

5. iPhone 内に登録完了。

6. 自分の所有する他のアップルデバイスにも登録を同期させるため、iCloud に登録。

4.3. その他の設定

その他、Eバイクに関する細かな設定はすべてアプリから行います。

  • アシスト力の設定(5段階)
  • フロントライト・テールライトの点灯
  • ベル音の変更
  • 警告アラーム
  • Eバイクの起動時 & ロック解除時のサウンド再生の有無
  • オーナーが近づいた時に自動でEバイクを起動するか
  • 走行する道の状況に合わせた、シフトチェンジのタイミングの変更
  • Eバイクのロックを解除するためのアンロックコードの設定
  • 距離の単位

etc…

5. Eバイクのセキュリティ

高価なEバイクということもありますし、VANMOOF はEバイクのセキュリティに関して鬼神の如き対策を施しています。

5.1. 物理ロックと警報アラーム

自転車のロックといえばリング状のチェーンやワイヤーロックが一般的で、もちろん VANMOOF のEバイクにも使うことができますが。それに加えて本体にボタン式の物理ロック機構がついています。

この物理ロックの掛け方は簡単で、後輪のフレーム近くにあるボタンを押すだけというもの。これを押すと、反対側に杭が出て後輪を回せなくなるというもの。とてもシンプルですが、手で押し戻すことは不可能ですし、スペース的に器具を押し込むことは出来ないため杭を切断するようなことも出来ません。

5.2. GSM 通信

VANMOOF のEバイクのフレームには通信デバイスが内蔵されており、サイトの仕様説明によれば GSM および Bluetooth とのこと。

GSM は携帯の第2世代通信のことで、要はフレームに携帯電話が入っています。もちろん通話はできないのですが、データ通信することで内蔵された GPS モジュールを介したデータのやりとりが可能で、Eバイク自身がアプリに自身の居場所を通知することができます。

この GSM 通信のため、SIM カードが付属していたわけです。思い切り Vodafone と書いてありますので Vodafone の SIM なのでしょう。

すると。毎月の通信料はどうなるんだ?と思われるかもしれませんが、ユーザー側で契約したり支払いをする必要はなく無償で利用可能です。おそらく旧世代の通信ということで今はかなり格安になっていることでしょうし、Amazon の Kindle の 4G回線 モデルと同様に VANMOOF 側が低価格のグローバル契約を結んでいる筈です。

5.3. 遠隔ロックダウン

盗まれたと判断した場合、遠隔ロックダウンを行うことでEバイクの全ての機能をシャットダウンすることが可能で、当然主力のアシスト機能なども働かなくなり、本体重量 20.8kg のただ単純に重い自転車と化します。そうした機能制限と同時に追跡モードも起動し、本体の通信機能を活かしたEバイクの位置追跡が可能になるそうです。

前述の Apple Find My ネットワークの追跡機能も使えるようになったことを踏まえると、盗難直後にEMS爆弾で電子回路が焼かれでもしない限り、追跡をされない方が難しいと言えます。

5.4. バイクハンター

上述のとおり、かなり厳重なセキュリティシステムを備えた VANMOOF のEバイクですが、これに加えてオプションで「盗難保証」(45,000円 / 3年契約)も存在します。

この契約を行うと、もし万が一 VANMOOF のEバイクが盗難された際に、専任のバイクハンターが動き出すことになります。

彼らはオーナーのためにEバイクの位置追跡システムを駆使し地獄の果てまで追いかけ、2週間以内にEバイクを取り戻してくれるとのこと。事実2週間以内の発見率は75%の高水準に昇っているようで、中には「モロッコからウクライナまで追跡した」例もあるそうです。心強すぎる…

モロッコからウクライナまで追跡した

https://d21buns5ku92am.cloudfront.net/66555/documents/42088-1587402707-S3 %26 X3 PR Deck — JP-6fcb29.pdf

しかし残念ながらバイクハンターの追跡をもってしても取り戻すことが出来なかった際には、使用年数と同水準の別の車体を無償で提供してくれる恩恵まで受けることができます。

高い本体を購入した後では身じろぎする価格ですが、月々1,250円ですので原付の任意保険と比べればそれほど高額ではありませんし、ここまでホスピタリティに溢れるカバーをしてくれるのであれば、加入するメリットは多分にあると言えるのではないでしょうか。

(※ただし、自転車で他人に怪我をさせてしまった時などの損害保証は付属しませんので任意で自転車保険にも入る必要はあります。)

僕も加入をちょっと悩んだのですが、知人が購入したバイクを半年で盗まれた絶望の話を聞かされたり、あまりビクビクしながら乗り続けるのは今後のEバイクライフがつまらなくなるなと判断して契約しました。

やっとEバイクライフがはじまる。〈後編〉へ。

Pro Web Surfer / Design Engineer @ aguije inc. / VanMoofer / Nintendo Addict

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